12 December, 2017

[本]リチャード P. ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん』岩波現代文庫

いまさらかよ,って感じですが,いまさら/ようやく読みました。きっかけは,やまもといちろう氏のツイッターでしたかFacebookアカウント(これ),要するに「若いときにこれ読んでたら人生変わっていたかも」という内容。

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
リチャード P. ファインマン
岩波書店
売り上げランキング: 1,756

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)
リチャード P. ファインマン
岩波書店
売り上げランキング: 3,145

もう毎回思うんですが,名著と言われているものはやっぱりそう言われるだけのことはある,だから食わず嫌いなんかせずに,へんな先入観持たずに,とにかく読め,と(本でも映画でも音楽でもなんでも)。そう,若いときの自分に言ってあげたいですね(殴りながら)。

「大学院ももちろんMITに」と思うほどにMITを気に入っていた学部生時代のファインマンが,スレーター教授と交わした会話のくだりが好き。

「ここの大学院には,いれないよ」と(スレーターに)言われた。
「ええっ?」と僕がびっくりすると,教授に「何でMITの大学院に入りたいのかね?」ときかれた。
「何しろMITのは理系では全国一ですから。」
「君,ほんとうにそう思うのかね?」
「もちろんです。」
「そうだろう。だからこそ君は,ほかの大学院に行くべきなんだよ。外の世界がどんなものか見てくる必要があるからね。」

といってプリンストン行きを決めたファインマンが,こう書いています。

MITは確かにすばらしかった。しかしスレーター教授が僕に他校の大学院をすすめたのは賢明だったと思う。そしてこの僕もやっぱり同じことを学生たちに忠告している。若者はすべからく広い世界に出て,外を見てくることだ。事物の多様性を知ることは大切なことだからだ。

10 December, 2017

地政学について知りたい

Wikipediaによりますと,地政学とはこう定義されています。

地政学(ちせいがく、: Geopolitics:ジオポリティクス、: Geopolitik:ゲオポリティク、: Géopolitique:ジェオポリティク)は、地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するものである。イギリスドイツアメリカ合衆国などで国家戦略に科学的根拠と正当性を与えることを目的として発達した。「地政学的」のように言葉として政治談議の中で聞かれることがある。

歴史学政治学地理学経済学軍事学文化学文明宗教学哲学などの様々な見地から研究を行う為、広範にわたる知識が不可欠となる。また、政治地理学とも関係がある。

きっかけは忘れましたが,地政学にもっと知りたいと思って以前買っていたのが,これでした。

増補改訂版 最新 世界情勢地図
パスカル・ボニファス ユベール・ヴェドリーヌ
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016-09-30)
売り上げランキング: 73,236

Amazonのカスタマーレビューにある,この評が適切です。

表紙に「地政学最良の入門書」と記載されているのだが、地政学についてはほぼ解説がなされていない点。あくまでも本書は、地図を多用した世界情勢解説本であって、地政学を学べる本ではありません。また世界情勢解説本として見ても、類書に比べると情報量がかなり少ない印象です。装丁や中身のデザインはとても美しく、全体としておしゃれな感じの作りですので、その点だけは気に入りました。

一方で,本屋に立ち寄ったら目について買って読んでみたこの本。「本書は現代の地政学の開祖マッキンダー、ドイツ地政学を代表するハウスホーファー、そしてマハンらによるアメリカ地政学を取り上げ、その歴史と考え方を紹介する」という,人を軸にしたところが,望んでいたのとはちょっとズレていた,という印象です。

地政学入門 改版 - 外交戦略の政治学 (中公新書)
曽村 保信
中央公論新社
売り上げランキング: 14,788

何はともあれ,書影に帯を入れるのは本当にやめていただきたい。

なにかちょうどいい本はないものですかねぇ……というかその前に,自分が「地政学」というものを通じて何を知りたいのかをもう少し明確にしたほうがいいのかもしれませんが。

30 November, 2017

[本]逢阪まさよし+DEEP案内編集部『「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街』駒草出版

これもたしかTwitterでその存在を知った本です。いやー,世の中に知らないことっていっぱいあるんですね……。ボリュームが大きいので一字一句は読んでないですが,眺めるだけでもお腹いっぱい,土地を見る目が変わりました。

「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街
逢阪まさよし+DEEP案内編集部
駒草出版
売り上げランキング: 2,996

中身はこんな感じ↓

内容紹介

月間100万PVの人気サイト「東京DEEP案内」待望の書籍化!!

45路線718駅を徹底調査した、街のネガティブ情報大全
鉄道路線・地域別でまったく違う街の人種と傾向を丸裸に大解剖
住んではいけないDQN地域・犯罪多発地帯の見分け方
絶対住みたくない街は……3位西川口、2位川崎、1位は◯◯!!

計504ページ(カラー368ページ+2色136ページ)の大ボリューム!!

【目次】

「住みたい街」と「住みやすい街」は違うよ、全然違うよ!
首都圏「絶対住みたくない街」コレクション
あなたにピッタリな街はどこ? 鉄道沿線別“傾向と対策"
東京タウンマトリックス2017年度版の使い方
東京場末タウン散歩 (前編)
首都圏コリアタウン列伝
首都圏バラック建築鑑賞会
東京場末タウン散歩 (後編)
オウム真理教はあなたの街にも住んでいる!
首都圏ドヤ街探訪
特別レポート 八王子にある創価大学の学園祭に行ってきた
特別レポート 小平市「朝鮮大学校」の学園祭に行ってきた
首都圏鉄道駅別ざっくりネタ帳 東京23区編
首都圏鉄道駅別ざっくりネタ帳 多摩・神奈川編
首都圏鉄道駅別ざっくりネタ帳 埼玉・千葉編
<巻末綴込み付録>東京タウンマトリックス2017年度版

著者がまえがきで書いているのは,「”住みたい街ランキング”は”不動産屋がいま売りたい街ランキング”であある」ということ。そしてあとがきで書いているのは,「人間の出来不出来は,本人の家庭環境や先天的なものを除けば,暮らしている土地の環境に大きく左右されるものであると考えている。まだ自分一人の人生で完結するなら西川口だろうが蕨だろうが川崎だろうが山谷や寿町であろうが,どんな場所に住んでいてもこの首都圏にいる限りはさほど不便を感じず安穏と暮らせるだろう。しかし自分に家族がいる場合は全く話も変わる」。「住みたくない街」という言葉は乱暴に思えるかもしれませんが,そういう観点からすれば,至極まっとうな考え方・アプローチである,ともいえます。

何はともあれ,土地に関するネタの宝庫で面白かった!

↓昔はこんな書籍を読んで,「オレ東京のこと知ってるぜ」みたいな顔してたんですけどね。まぁ「ハレとケ」ということで。

東京土地のグランプリ 2012-2013 最新版 (別冊セオリー)

講談社 (2012-03-15)
売り上げランキング: 71,295

26 November, 2017

[本]都筑卓司『新装版 四次元の世界―超空間から相対性理論へ』ブルーバックス

Twitterかどこかで目にしたので,買って読んでみました。

最初の方こそ「第1章 次元とはなにか」「第2章 四次元空間の性質」とあって,よくある現実的な次元の拡張の話や,あるいは三次元立方体を平行移動して四次元立方体(超立方体)を作ったときの頂点と綾と面の数などを丁寧に算出しているところ,あるいは平面に無理やり超立方体を描くやり方などは,「四次元の世界」というタイトルから想像される内容の通り。

しかしそのあと話題がどんどん拡張・展開していって,非ユークリッド幾何学に触れられ,光の速度の話になり,相対性理論も持ち出され。確かにサブタイトルに「超空間から相対性理論へ」とあったのを見落としていまして,意外でした。

旧版が出されたのが昭和44年(えーっと,1969年ですか)なので,さすがに文体というか口調は古いですが。なんとも昔のブルーバックスらしい,意欲的な本でした。

そうか,著者は物理学者なのか。

新装版 四次元の世界―超空間から相対性理論へ (ブルーバックス)
都筑 卓司
講談社
売り上げランキング: 32,137
商品説明

一般読者向けの科学解説書である。著者の都筑卓司は、わかりやすさと厳密さのバランスを工夫しながら、多くの縦書きの科学書を出版してきた。本書は1969年に書かれたものを、その後の進展も含めて全面改訂した新装版である。ルネ・マグリットが描いた乗馬のだまし絵のカバーが印象的な1冊。

内容は、副題の示すとおり、4次元空間から相対性理論まで、近代物理学を概観することである。まず4次元空間の説明から始まり、リーマンの球面幾何やロバチェフスキーの凹面幾何など、いわゆる非ユークリッド幾何の話題に触れている。数学者なら、さらに4次元空間の話を続けるところだが、著者は物理学者である。光の速度が一定という話や、それを裏付けるマイケルソン・モーリーの実験の話から、アインシュタインの相対性理論へ説明が及ぶ。それから4次元空間の話題に戻り、ミンコフスキー空間や光円錐の話になり、最後は重力波や宇宙の構造に触れて締めくくる。

さすがに記号や数式をまったく使わずに説明することはできず、わずかではあるが、数学の記法を併用している。したがって、本書を完全に理解するには、高校程度の数学と物理の予備知識が必要だ。しかし、数式などを読みとばしても、全体の8割程度が理解できれば、十分楽しむことができるだろう。

こうした本のわかりやすさは、どんな図解をするかによるところが大きい。本書では、著者自身が説明用に描いたと思われる図と、イラスト担当者が言葉による説明の理解を助けるために描いた図とを併用している。前者は問題ないが、後者のできばえには満点をつけられない。かえってわかりにくくしてしまうものも、少し含まれている。また、たとえ一般読者向けの科学書でも、より詳しく学びたい人に向けた文献リストと索引とを添えておく方が親切だろう。(有澤 誠)

25 November, 2017

[本]『How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント』日経ビジネス人文庫

 文庫になったので,ようやく読みました。で,期待通り面白かったです。

How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)
エリック・シュミット ジョナサン・ローゼンバーグ アラン・イーグル
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 4,303
内容紹介

グーグル現会長で前CEOのエリック・シュミットと、前プロダクト担当シニア・バイスプレジデントのジョナサン・ローゼンバーグは、グーグルに入社する以前から経験豊富なIT業界のトップ・マネジャーだった。だが、2人が入社したグーグルは、「他とは違ったやり方をする」ことで有名だ。これは、ビジョナリーであり、人とは反対の行動をとりがちな共同創業者2人、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの方針に沿ったものだった。

入社してすぐにエリックとジョナサンは悟った。グーグルで成功するには、ビジネスとマネジメントの方法をすべて学び直さなければならない、と。本書では、著者2人がグーグルの成長に貢献しながら学んだ「教訓」を豊富な事例とともに語る。

テクノロジーの進歩は消費者と企業のパワーバランスを激変させた。この環境下では、多面的な能力を持つ新種の従業員――スマート・クリエイティブ――を惹きつけ、魅力的で優れたプロダクトを送り出す企業だけが生き残れる。戦略、企業文化、人材、意思決定、イノベーション、コミュニケーション、破壊的な変化への対応といったマネジメントの重要トピックを網羅。

グーグルで語られる新しい経営の「格言」(「コンセンサスには意見対立が必要」「悪党を退治し、ディーバを守れ」「10倍のスケールで考えよ」……など)やグーグル社内の秘話を、驚異的なスピードで発展した社史とともに初めて明かす。

すべてが加速化している時代にあって、ビジネスで成功する最良の方法は、スマート・クリエイティブを惹きつけ、彼らが大きな目標を達成できるような環境を与えることだ。本書は、ただその方法をお教えするものである。

「スマート・クリエイティブ」という語は,何度も何度も本書に出てきます。いわく,「多才で,専門性とビジネススキルと創造性を併せ持っている」「要するに,少なくとも従来の意味での知識労働者ではない」「インターネットの世紀での成功のカギを握る存在」。こういう人たちの集団の創造性をさらに高め,組織として成功に導くためにはどういったことをすべきか,そういったことが,いろんな方面(木曜を設定しないとか,有名な「20%ルール」とか,上にある「10倍のスケールで考える」とか)から書かれているわけです。

まぁ,「うちはそういう会社じゃないから」といって,この本の内容を「あちら側」のものと見なすのは簡単なんですが,それだともったいない。個人的に興味深く感じたのは,「採用」のところです。グーグルの「採用のおきて」ということで,こんなリストがありました。

  • 自分より優秀で博識な人物を採用せよ。学ぶもののない,あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。
  • プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。両方に貢献が見込めない人物は採用してはならない。
  • 仕事を成し遂げる人物を採用せよ。問題について考えるだけの人物は採用してはならない。
  • 熱意があり,自発的で,情熱的な人物を採用せよ。仕事がほしいだけの人物は採用してはならない。
  • 周囲に刺激を与え,協力できる人物を採用せよ。ひとりで仕事がしたがる人物は採用してはならない。
  • チームや会社とともに成長しそうな人物を採用せよ。スキルセットや興味の幅が狭い人物は採用してはならない。
  • 多才で,ユニークな興味や才能を持っている人物を採用せよ。仕事しか脳がない人物は採用してはならない。
  • 倫理観があり,率直に意思を伝える人物を採用せよ。駆け引きをしたり,他人を操ろうとする人物を採用してはならない。
  • 最高の候補者を見つけた場合のみ採用せよ。一切の妥協は許されない。

ふー。肝に銘じます。