12 March, 2014

[論文]高スキル労働者の転職行動|日銀

http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2014/wp14j03.htm/

要旨
本稿では、高スキル労働者として「技術職」、「専門職」、「管理職」の3職種に着目し、近年の転職動向について事実整理を行った上で、転職パターンの違いや転職による賃金の変化について実証的に検証した。

本稿の分析の主な特徴は以下の2点である。まず、転職後の産業・職種の性質が転職前と比べて、どの程度近いか(「スキル距離」)を定量的に測定して転職パターンを検証した。また、高スキル労働者のうち、職務内容や属する産業が大きく異なる「技術職」と「専門職」を区別して転職パターンや転職前後の賃金変化の違いを分析した。

主な結果は以下のとおりである。第一に、高スキル労働者に対する企業の中途採用意欲は強いとみられる一方、高スキル労働者の転職率は他の職種と比べて低位にとどまっている。さらに、転職率は、学歴が高くなるほど、企業規模が大きくなるほど低下する傾向にある。第二に、高スキル労働者の中でも、職種によって転職パターンや転職前後の賃金の変化は異なる。「管理職」は前職と異なる(「スキル距離」が遠い)職種へ転職する傾向がある。一方、「技術職」と「専門職」は、前職と似かよった(「スキル距離」が近い)産業や職種へ転職する傾向が強い点で共通しているが、転職後の賃金については、「技術職」の方が高まる傾向がある。ただし、これらの職種に限らず、大企業から他企業へ転職する場合には転職後の賃金の低下は大きい。この点が、とりわけ大企業での就業率が高い「技術職」のマクロでみた転職率の低さに影響している可能性が窺われる。


(感想)
内容としては,上の要旨に書かれている通り.「たぶんそうだろうね」と多くの人が思っているであろうことを,実証的・数値的に分析・検証した,というところか.

このペーパーのいちばんのキモだと思うのは「スキル距離」で,転職前後の産業・職種がどの程度近いのか遠いのかを表現するもの.
「スキル距離」は、労働政策研修・研究機構(2012)が公表する職務内容基準数値を用いて算出する。職務内容基準数値は、実際にその職業に従事する労働者にアンケート調査を行 い、スキルを多角的に数値化したものである16。スキル項目は、下図のとおり、各職業について①職業興味、②価値観、③仕事環境、④スキル、⑤知識の 5 つのカテゴリにそれぞれ 5~7 つの項目、合計 30 個ある。たとえば、①職業興味には、「現実的」「研究的」「芸術的」など 6 つの項目がある。数値は 30 名以上のデータを収集できた601の職業について算出されている。サンプル数は全体で21,033名である。
だそうです.これら30項目の数値を用いて,ふたつの職業間の「スキル距離」をユークリッド距離として求めた,と.最終的に集約された55職種に対して,そのすべての組み合わせ(1485通り?)に対してスキル距離が算出されたらしい.

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