07 March, 2014

Calder, et al. "Cat Model Blending" 2. Catastrophe Model Blending

"Cat Model Blending - Techniques and Governance"
Alan Calder, Andrew Couper, Joseph Lo, Aspen (Respectively, Group Head of Catastrophe Risk Management, Chief Actuary and Chief Risk Officer of Aspen Bermuda, and Head of Actuarial Research & Development.)
13 August, 2012

目次はこちら
http://ykkactuarial.blogspot.com/2014/03/calder-et-al-cat-model-blending.html


2 Catastrophe Model Blending
  • Section3でブレンディング方法の詳細に入る前に,このSection2では一般的な議論を進める.
  • Catモデルブレンディングのひとつの(自然な)解釈として,モデル内の関数や計算式をブレンドする,という方法がある.
    • 例えば「ハザードの部分はモデルA,脆弱性関数の部分はモデルB,ファイナンシャルの部分はモデルCを用いる」という方法がある.(これは Model Fusion と呼ばれたりする.) これがうまくいけば透明性の高いモデルになるだろうが,実際は難しい.
    • ライセンスの問題もあるし,どのモデルのどのパートがベストかを判断するには,データ量や判断する専門性の問題もある.
  • このペーパーでは,これ以降,モデルブレンディングといった場合,モデルのアウトプットのブレンディングを指すこととする.

2.1 Two Natural Ways of Blending
  • ふたつの自然なブレンディング方法がある.すなわち,SeverityアプローチとFrequencyアプローチである.それについて説明し,frequencyアプローチの方が優れていることを示す.
  • Severityアプローチとは,とある再現期間における損害額を,複数のモデル結果の(加重)平均として表現する方法である.
    • Severityブレンディングで加法性を満たすCatモデルを構築するのは容易ではない.
    • シミュレーションベースでSeverityブレンディングを実現するのも難しい.
    • 仮に「100年に1度」の数字を見る場合,モデルAにおける100年に1度のイベントがモデルBにおける100年に1度のイベントと一致している保証はない.
  • Frequencyアプローチとは,とある損害額の発生確率を,複数のモデルにおけるそれぞれの発生確率の(加重)平均として表現する方法である.
    • Frequencyブレンディングはシミュレーションベースで実現が容易.
  • ロスコスト(AAL: average annual loss)の(加重)平均を計算する際,Frequencyブレンディングはそれに整合的だが,Severityブレンディングは(免責などがあってクレーム額がロスに対して線型でない場合など)整合的でない場合がある.
  • (ペーパー内では,グラフを用いたSeverityアプローチとFrequencyアプローチの比較)
    • Severityアプローチはふたつのモデルの損害額の情報の平均をとるので,たとえば一方のモデルのエクストリームな結果を拾えない.
    • 逆にFrequencyアプローチでは,再現期間の長いところで,損害額の大きなモデル結果に近づく.

2.2 Arithmetic and Geometric Averages
  • 平均をとる際には算術平均と幾何平均があるが,このペーパーでは算術平均の立場をとる.
  • 相加・相乗平均の関係からわかるように,SeverityアプローチとFrequencyアプローチの両方において,幾何平均による結果は算術平均による結果より低くなる.
  • Limit(填補限度額)やDeductibles(免責)がある場合,幾何平均の結果は不安定になりがち.
  • 種々の理由から,以下,このペーパーでは常に算術平均を仮定する.

2.3 Literature on Model Blending
  • 2005年の Florida Hurricane Catastrophe Fund (FHCF) のレポート (Florida Hurricane Catastrophe Fund, 2005) において,業界全体およびより細かいレベルの数値において,ブレンディングの使用が引き合いに出された.
    • そのレポートの Exhibit V(および Section E of Exhibit I)では,複数モデルの結果の加重平均(Severityブレンディング)が採用されているように見られる.
  • (Grossi & Kunreuther, 2005) の Section 4.5.1 でも,フロリダのハリケーンについて,Severityブレンディングのアプローチが見られる.
  • 2011年には,複数モデルの使用について,少なくとも2つのディスカッションが世に出た.
    • ロンドンでのワークショップで発表された (Cook, 2011)
    • 12月に発表された (Guy Carpenter, 2011)
      • 方法論を強調した (Cook, 2011) に対し,model uncertainty に力点が置かれている.
      • Model Fusion (異なるベンダーモデルのコンポーネントを再構成して新たなモデルを構築する)についても言及している.
  • Cookのワークショップは,ブレンディングの具体的で現実的な方法論が提示された.
    • Severityブレンディングは「Common Approach」,Frequencyブレンディングは「Alternative Approach」と称され,その対比の中で,Frequencyブレンディングの方がよりよいとしている.
    • 加重平均をとる際の重みづけについても議論がなされた.そこでは「スコアカードアプローチ」が提示されている.
  • アイデアは ABI guide (Garnons-Williams & Zink, 2011) に引き継がれた.
  • (Devlin, 2008) では,EPカーブの調整(再現期間ごとに異なる額によるスケール)の可能性が挙げられている.


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