06 September, 2016

金融庁における職員の募集(ちょっと前の話)

今年の6月28日付で金融庁のサイトにこんな募集が掲載されて,いつのまにかなくなっていたけれど,果たしてどんな人が採用されたのでしょう。

平成28年6月28日
募集番号(28総02)

職員の募集

職種

金融庁における国際関連業務に従事する職員(課長補佐級/係長級)

業務内容

金融庁の職員として、保険分野における金融規制や監督手法等に関する外国当局との協議・調整等の業務に従事していただきます。
例として以下を想定しています。
保険監督者国際機構(IAIS)等に関連する国際会議等への参加
例えば、保険分野における国際資本規制の策定等に関するものなど

応募条件等

金融機関等での実務経験があるなど、上記の業務分野についての知識・実務経験を有し、かつ他国の金融当局職員との交渉・調整が可能な高い英語力を有する方。
なお、公認会計士やアクチュアリーなど、企業の財務、リスク管理等に関する資格を有する方が望ましい。

募集人員

1名

採用形態

一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成12年法律第125号。以下「任期付職員法」という。)に基づき、常勤の国家公務員として採用。
国家公務員法に基づく守秘義務等が適用されます。

給与等

任期付職員法又は一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)に基づき、経歴等を考慮の上決定します。採用後は、金融庁職員(課長補佐級又は係長級)として勤務していただきます。
国際会議等で出張する際には出張旅費等が支給されます。

勤務地

金融庁(東京都千代田区)

雇用期間

平成28年9月1日から原則として2年程度
勤務成績や業務の必要性に応じ、当初の雇用期間を更新して任用される可能性があります。
勤務開始日はご相談に応じます。

勤務時間

原則として、9時30分から18時15分(週5日、土日祝日を除く)

応募方法

本ウェブサイトから所定の履歴書(Excel版PDF版)をダウンロードし、必要事項を記載の上、下記の宛先までご郵送ください。
なお、応募書類は返却致しませんので、予めご了承下さい。

選考方法

書類選考後、面接試験により合否を決定します。
書類選考合格者には面接日時を個別に電話又はメールでご連絡します。

応募締切

平成28年7月12日(火) 18時まで
(郵送の場合は当日必着。持参も可。)

書類提出先

〒100-8967
東京都千代田区霞が関3−2−1 中央合同庁舎第7号館16階
金融庁総務企画局総務課国際室渉外係
お問い合わせ先
金融庁総務企画局総務課国際室渉外係
Tel:03-3506-6000(内線3153、3868)

Paul Embrechts "Risk Management: Then, Now and Tomorrow"

日本アクチュアリー会「平成28年度第4回例会」の資料だそうでして……

Paul Embrechts "Risk Management: Then, Now and Tomorrow"
http://www.actuaries.jp/lib/meeting/reikai28-4-siryo.pdf

バンキング・インダストリーを含めてのファイナンシャル・リスク・マネジメントの歴史・流れ・課題・ウンヌンが概観できます。

特に興味深かったのは,このスライド:


RM: Tomorrow (5) – The Actuary of the 𝒏𝒕𝒉 kind

  • Actuary of the first kind: the life actuary (since 17th Century)
  • Actuary of the second kind: the non-life actuary (in 20th Century)
  • Actuary of the third kind (Hans Buehlmann, ASTIN Bulletin, 1989) for actuaries with skills on the investment side of the balance sheet
  • Actuary of the fourth kind: the ERM actuary (S.P. D’Arcy, Presidential address, November 14, 2005) ß Paul Embrechts presentation
  • Actuary of the fifth kind: F. Chan & F. Devlin, “B.A.U. for actuaries: Big data, Analytics & Unstructured data”

20 May, 2016

アクチュアリーとデータサイエンス(The CAS Institute の発足を今さら知った)

CAS の "Future Fellow" というブログの最新エントリーは,アクチュアリーとデータサイエンス(あるいはデータサイエンティスト)との関係に触れる,ちょっと興味深いものでありますが,その中で「The CAS recently announced a partnership with The Institutes to provide a predictive analytics and data science credential.」というのがありました。気づかなかったぞ,これ。

なんでも,こことかこことかにあるように,CAS と The Institute とが戦略的提携(strategic alliance)を結んだことを発表したのが2015年11月で,その中のひとつが,CAS の下部組織となる「The CAS Institute(略してiCAS,なんじゃそら)」の形成で,その iCAS は「本体のアクチュアリーに対するクレデンシャル(いわゆるFCASとACAS)とは別のクレデンシャルを与えることになる」ようで,それは「predictive analytics やデータサイエンス,Catモデルアナリティクスなどの定量的プラクティスエリアにおける専門性の認証を求める,あらゆるプロフェッショナルを対象とする」ウンヌンカンヌン。最初に predictive analytics とデータサイエンスがきて,そのあとで Catモデリングやキャピタルモデリング,定量的再保険分析などが来るそうな。(2016年2月に,プログラムのカリキュラムや要件を定めるためのパネルが選定された > ソース

そもそもこの CAS と The Institute との提携は,去年のCASの年次大会で発表されたんですね。IAJの海外研修は去年はイギリス(GIRO)に変わったけど,そのままUSに行ってても面白かったのでは(結果論)。

よく伝統的に「アクチュアリーはプライシング・アクチュアリーとリザービング・アクチュアリーとに二分される」と言われていて,しかし「最近ではキャピタル・アクチュアリーという第3の柱もあってさ」ということもしばし耳にするというかもう定着していると思うけど,しかし最近のITの進化を目にすると,アクチュアリーとデータサイエンティストとの近接というのは近い未来あるいはもう現実に起こっていることなのであろうなぁと。

10 May, 2016

メモ "R in Insurance 2016 Programme"

出席してみようと思っていますが,ひとまずメモ。

R in Insurance conference at Cass Business School in London, 11 July 2016
http://www.r-bloggers.com/r-in-insurance-2016-programme/

Agenda
[09:00 - 10:00] Keynote 1:

  • (New) Challenges in Actuarial Science (Mario Wüthrich, RiskLab ETH Zurich)


[10:00 - 11:00] Session 1: Data and Technical Solutions

  • Acquiring External Data with R (Mark Chisholm, XLCatlin)
  • Efficient, consistent and flexible Credit Risk simulation with TRNG and RcppParallel (Riccardo Porreca, Mirai Solutions)
  • Grid Computing in R with Easy Scalability in the Cloud (Jonathan Adams, ARMtech Insurance Services)


[11:00 - 11:30] Coffee break

[11:30 - 12:30] Session 2: Lightning talks

  • Investigating the correlation between month of birth and diagnosis of specific diseases (Ben Rickayzen, David Smith, Leonel Rodrigues Lopes Junior)
  • Measuring the Length of the Great Recession via Lapse Rates: A Bayesian Approach to Change-Point Detection (Michael Crawford, Applied AI)
  • Data Science vs Actuary: A Perspective using Shiny and HTMLWidgets (Richard Pugh, Mango)
  • estudy2: an R package for the event study in insurance (Iegor Rudnytskyi, University of Lausanne)
  • R as a Service (Matt Aldridge, Mango Solutions)
  • RPGM, an example of use with IBNR (Nicolas Baradel, PGM Solutions)


[12:30 - 13:30] Lunch

[13:30 - 14:30] Session 3: Insurance and statistical modelling in R

  • Telematics insurance: Impact on tarification (Roel Verbelen, KU Leuven)
  • Modelling the impact of reserving in high inflation environments (Marcela Granados, EY)
  • An R package of a partial internal model for life insurance (Jinsong Zheng, Talanx AG / University of Duisburg-Essen)


[14:30 - 15:00] Panel discussion:

  • Insurance analytics, data & R - past, present and future


[15:00 - 15:30] Coffee

[15:30 - 16:30] Session 4: Case studies with R in action

  • Global Teleconnections (Sundeep Chahal, Lloyd's)
  • Probabilistic Graphical Models for Detecting Underwriting Fraud (Mick Cooney, Applied AI)
  • R, Shiny and the Oasis Loss Modelling Framework – a toolkit for Catastrophe modelling (Mark Pinkerton, OASIS)


[16:30 - 17:30] Keynote 2:

  • Persuasive Advice for Senior Management: the Three-C's (Dan Murphy, Trinostics)


[18:30 - 22:00] Conference Dinner


26 April, 2016

ANALYZING THE DISCONNECT BETWEEN THE REINSURANCE SUBMISSION AND GLOBAL UNDERWRITER'S NEEDS

CASとIFOAとのワーキンググループが発表したレポート。再保険のサブミッションに含まれている情報と,再保険アンダーライターがプライシングに求める情報とのあいだには,開きがある。そのアンダーライターのニーズを理解し,適切な情報を提供することで,最終的には元受会社の市場での競争力が高まるのではないか,ということのようです。

ANALYZING THE DISCONNECT BETWEEN THE REINSURANCE SUBMISSION AND GLOBAL UNDERWRITER'S NEEDS
http://www.casact.org/research/dare/index.cfm?fa=view&abstrID=7159

以下,おおまかな概要を。
  • 元受会社の引受に関する情報と,その後の再保険に提供される情報,そして再保険の値段とのあいだには,直接的な相関関係が存在する。
  • 当然ながら,再保険アクチュアリーなりアンダーライターなりがプライシングに必要な情報を得られないと,彼ら(アクチュアリー/アンダーライター)はアサンプションを置く必要があり,それが再保険のプライスに影響を与える(多くの場合は値段が高くなる)。
  • 元受会社が重要だと考える情報は再保険者は重要だとみなさないかもしれないし,その逆もしかり。この研究の目的は,グローバル再保険者がベストなプライシングを提供するために望む・必要な情報をつまびらかにすることである。
  • 再保険者が望む情報を元受会社が提供できれば,それは再保険価格の低下につながり,ひいては元受価格の低下につながるので,元受会社の競争力が高まる。そういう意味では,このリサーチは,再保険者よりも元受会社を利するものであるといえる。
  • 適切なプライシングのためには,サブミッションはExposure RatingとExperience Ratingの両方を行なうに足る情報を含む必要がある。それらふたつのRatingは何らかの信頼度を用いてブレンドされるが,その信頼度はそのもとになったここの情報・要素の信頼度に依る。
  • Exposure Ratingにあたって,サーベイの回答者が最も有用だと回答したのは以下の4アイテム:
    • In-Force Risk Profile (banded)
    • Individual risk listing (all cat/non-cat exposures) → Catの場合はEDMにあたるか
      • allであるのがポイント。ある閾値より上だけの情報は,あまり重宝されない
    • Historic loss ratios
      • その重要性にもかかわらず,CASアクチュアリーで68%,IFoAアクチュアリーでは40%しか情報を受け取っていない
    • Written explanation of risk → いわゆるnarrativeの部分
  • Experience Ratingの場合は,
    • Large loss listing
    • Historic Premium
    • Large Loss Claim Description → cat/non-catのフラグも
    • Historic Rate Change
    • Link of actual losses to amounts of insurance
  • Risk Profileに関する補足的な説明(sum insuredの定義,1リスクが何を意味するか,任再の有無,PMLが使われている場合はその推定方法,など)は,80%以上のケースでプライシングに定性的・定量的な影響を与える。
  • Exposureの指標であるMPL, PML, MFL, EML, TIV…いろいろありすぎて定義があいまい。
  • 日本の再保険マーケットのサブミッションは,PMLの推定がとても普及しているという点で,非常にユニークである。

31 January, 2016

CAS の President が語る,SOAとの関係性

2013年にミネアポリスで開催された CAS の annual meeting に出席したとき,breakout session のなかで CAS の運営側とメンバーであるアクチュアリーたちとのあいだで試験制度に関するディスカッションが行なわれていたのがとても印象的でした。たぶん日本にはない光景なのだろうなぁと。

で,最近自宅に届いた CAS のニュースレターである「actuarial reveiw」最新号(Jan-Feb 2016)によると,CAS の president も直近の annual meeting でアクチュアリーたちから CAS と SOA との関係にまつわる質問をいろいろと受けたようで,それらに対する考え方を披露していました。。

  • 「連合軍」設立のオファーを CAS が断り,そして SOA が自ら GI track を立ち上げて以降,CAS と SOA との関係性は向上している。明らかに敵対関係にあったものが,現在は緊張緩和(détente)と呼べる状態になっている。その理由の一部には,単に時間が経ったことと,リーダー層の交代が挙げられる。
  • 現 President が「President-Elect(次期会長)」の座についたとき,SOAのカウンターパートである Craig Reynolds に連絡をとり,一対一のインフォーマルな対話の場を設定した。それがとても生産的だったので,現在では月イチで定期的に開催している。
  • SOA のことは「外部の脅威」ではなく「競合」として見ている。「彼らは悪い人間ではなく,ただわれわれとは違う物の見方をしている」。競い合うことは悪いことではない。事実,そのおかげで,CAS はさまざま方面で進歩を遂げてきた。
  • SOA を競合として認識することはまた,彼らの行なっていることに注意を払いすぎないことを意味する。もちろん彼らの活動をモニターするが,CAS としてはただ自らの行なっていることの質を高めるのみである。「Appleが企業として成功したのは,Microsoftが行なっていること日々観察したからではない」
  • CAS は損保分野において,マーケットシェアの観点から支配的な位置にあり,また強いブランド力を持っている。それゆえ,SOA がその位置に取って代わることはない。
  • なぜ SOA と合併しないのか? 組織というものはある程度歴史の産物であり,時間を経ていまのかたちがつくられてきた。だからといって,今の状態がベストであるという保証はない。現時点では,CAS は SOA と合併するべきではないと思うし,それがベストな選択だとは思わない。もちろん,状況が変わる可能性はあるし,そうなれば考えを改めることもあるだろうが。